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2025.05.13

七つの予言 新版について


お久しぶりです!8年ぶりにサイトを更新します。


もう今週末に迫ったゲームマーケット2025春で、私が以前デザインした「七つの予言」というトリックテイキングゲームの新版がサニーバードさん(エリア-48ブース)から発売されるので、紹介記事を書いてみたいと思います。

【七つの予言について】
初版は2017年に頒布した3~4人用のビッド系のトリックテイキングです!トリックテイキングとはなんぞや…という説明はこの記事では長くなり過ぎるのですみませんが割愛します。

ラウンドごとに何トリック取れるかをビッドするトリテは色々ありますが(例えば、七つの印、ウィザードエクストリーム、スラフオフなどなど)七つの予言では「何トリック取れるか」ではなく「どの順位を何回取るか」をビッドするというのがユニークな特徴です。

「今回のラウンドでは3トリック取りますよ」ではなく「1位を2回、2位を1回、3位は1回、4位は3回取ります」という感じでビッドをします (ちなみにマストフォロー、4スート、切札無しです)。

「順位までビッドする」と聞くと難易度が高そうでトリテマニア向けな所謂「変態トリテ」と呼ばれるような印象を持たれてしまうかもしれませんが、下記のルールのおかげで実際に遊んでみていただくと思ったよりもカジュアルに初心者の方にも楽しんでいただけ、ワイワイ盛り上がれるようなプレイ感になっています。

・1ディールでは最大10トリック行われますが、ビッドするのは7トリック分のみ
・全てのトリックのリードスートが予め示されています
・プレイ済みのカードは七並べのように場に並んでいくので、カウンティングが不要

マストフォローで切札もないため、1位は当てやすいですし、4位も比較的考えやすいです。ただ、2位と3位は悩ましいかもしれません。また、相手の持っていないスートによっては自分の思惑が外れてしまうこともよくあります。

というかそこからがむしろ腕の見せ所です。内心「うわーヤバいぞどうしよう…!」と思いながらも涼しい顔をしながら乗り切りましょう。当初の計画とはズレてしまったところから他のプレイヤーの思惑も考えつつコントロールするのも、このゲームの楽しさの1つです。

下記の画像はプレイ中のイメージ図です。
赤枠部分がリードスートを示す色指定カードです。この色指定カードによって全てのトリックのリードスートが最初から示されています。
また、青枠の部分が各プレイヤーの順位ごとのビッドを示しています。
(各プレイヤーがついたてで隠して非公開でビッドを決めた後、公開して配置します)
プレイしたカードは誰が何位を取ったのか、
全員の残りのビッドもわかりやすいように場に並べていきます。

下の画像では、3トリック目が終わって赤のプレイヤーは3位を取りましたが、 3位のビッドには1個しか置いておらず1トリック目でそれも既に達成していたために、ピンクの矢印のとおりこのトリックでは予言を外してしまったことになります。


 【旧版と新版の違いについて】
前のバージョンを知ってるよ、遊んだことがあるよ!という方向けに、新版と旧版の違いについてです。

・得点ルールの変更
<旧版>
7つのビッドを全て当てた人は2点獲得。
それ以外の人は、外したビッド数から1少ない点数がマイナスされます。(例:誰かがビッドを達成した際に2個キューブが残っていたら1点マイナス)

<新版>
7トリック目でビッド達成で5点
8トリック目でビッド達成で3点
9トリック目でビッド達成で2点
10トリック目でビッド達成で1点
さらに、ビッドを達成できなかったプレイヤーの中で、外した数が1番少ないプレイヤーは1点を得ます(10トリック目まで行った場合は、この点数は無し)。また、誰かが7点を獲得するか、人数分のラウンドを行ったらゲーム終了です。

旧版のルールですと得点が地味で、差がつきにくいものになってしまっておりました。新版では、より早いタイミングで達成すると点数が高くなるなど、 上手いプレイに対してきちんと高得点が与えられるようになりました。

また、ビッドが当たったプレイヤーと当たらなかったプレイヤーで点差が開き過ぎて逆転しにくくなってしまうことを防ぐために、
必ず人数分ラウンドを行うのではなく、7点獲得したプレイヤーが出たらそこでゲーム終了としています。


・リードカードの変更
<旧版>(4人プレイの場合です)
1~13の4スートの数字カードを10枚ずつ5つの山に分けて(2枚は今回のディールでは使用しません)、プレイヤーに配らなかった5つめの山の10枚をリードカードとして場に並べていました。

<新版>(4人プレイの場合です)
4スート×3枚分の色指定カードを裏向きにしてよく混ぜ、10枚をリードカードとして場に表向きに並べます(2枚は今回のディールでは使用しません)。色指定カードがあるので、数字カードは1~11です。(数字カードは各プレイヤーには10枚ずつ配り、残った4枚はこのディールでは使用しません)

旧版では滅多にないことではありますが、配り運次第では2スートしかリードスートに並ばないなど、極端な展開が起こり得たのですが、この変更によりバランス良く遊べるようになりました。


【アートワークの変更】

旧版では井上磨さんに神秘的な雰囲気で素敵なデザインに仕上げていただいておりました。
新版では、最近だとKickstarterが大成功した「Falling」のアートワークも担当された津川智宏さんにポップでキャッチーな感じに描いていただき、得点ボードやその他のデザイン部分は数々のボードゲームのアートワークを描かれている別府さいさんにご担当いただきました。可愛い魔女たちのイラストが素敵ですね!ちなみに私は紫の子が特にお気に入りです。



【コンポーネントの変更】
旧版では、ついたてとビッドシートについてデータの作成はできたものの、印刷がゲームマーケットに間に合わずホームページでデータのみ公開して各自で印刷していただくという形になってしまっておりました。

新版では、それらも勿論ちゃんと印刷され、さらには得点コマがプリントされた木製コマになる等、かなりアップグレードしております。


【余談という名のデザイナーズノートみたいなモノ】
デザイナーズノートという程でもないのですが、七つの予言のアイデアのキッカケについてです。

この記事の序盤でstefan dorra氏のとあるトリテを連呼しておりますが、色ごとにビッドするトリテがもうあるなら、私は順位ごとにビッドしてみよう!…と考えたわけではなく、元々は推理系のゲームを作ろうと考えていました(ちなみに七つの印はめちゃくちゃ好きなトリテです)。

カードにはキャラクターが描かれており、それぞれのキャラクターには髪型や服の色などの特徴があって、1人犯人となるキャラクターがいる。その犯人を絞り込む過程でマーカーとしてカードの上にキューブを置いていって…みたいなことを考えていたときに閃きました。このカードを場に並べてキューブを置いていく動きはトリテでもいけるのでは?と。

そんな感じで、最初は推理系の犯人当てゲームを作ろうとしていたのが、 途中で大きく方針転換してまさかのトリテになりました。もうちょっとちゃんとそのあたりも書いてみたい気もするのですが、なにぶん8年前の話なのであんまり細かい経緯を覚えていないのが悔やまれます…。

【最後に】
というわけで、リードスートが最初から示されており、順位までビッドするトリテ「七つの予言」の紹介でした。
なかなか他にないプレイ感のトリテでわいわい楽しめると思います。

ゲームマーケット2025春ではサニーバードさんのブース(エリア-48)で2500円で販売予定ですので、 どうぞよろしくお願いいたします~!

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